田舎暮らしで魅力なのはなんといっても、大きな土地と家を持てることではないでしょうか。
都会では考えられないくらい大きな敷地面積に、建物。
庭付き、駐車場付き(というか敷地がそれ)、畑付きなんて物件も少なくありません。
それらがまさかの0円~数百万円ほどで購入できるのが田舎暮らしの大きな魅力です。
とはいえ、そんな物件をどうやって探すの?
という疑問に空き家バンクで空き家を探しまくった私なりに答えたいと思います。
空き家バンクってなに?
空き家は都心のど真ん中でない限り正直、どこにでもあります。
それを積極的に活用しようと頑張っているのは田舎の自治体であることが多いです。
田舎にとって空き家の増加は大きな問題の一つです。
手の入らない家はどんどん劣化し、いずれ倒壊の恐れがある「危険家屋」となってしまいます。
田舎に移住したい人とその空き家を結びつけるマッチングサービスが「空き家バンク」です。
空き家バンクを利用するメリット&デメリットは?
空き家バンクを利用して家探しをするメリットとしては、激安で入手できる可能性が大きいという点です。
古い家が好きな人などにはうってつけだと思います。
しかしながら、空き家バンクに登録される家屋は、空き家になってすぐに登録されることはほとんどないそうです。
人が住まなくなってから、何年も何十年も放置された家が登録されるケースがほとんどです。
しかも、空き家の持ち主から登録を依頼されるケースは少ないと関係者から話を聞いたことがあります。
空き家は自治体の空き家バンク関係者が見回りをし、見つけた空き家の持ち主に何度も連絡を取り、やっと登録にこぎつける・・・というのが多いそうです。
空き家バンクに登録するのを嫌がる持ち主も多く、なかなか登録家屋が増えないのが現状です。
「盆と正月に使う」
「手入れはしているから・・・」
など、物件に愛着を感じ、手放すことに抵抗を感じている持ち主さんが多いんだそうです。
このため、空き家バンクに登録される頃には老朽化が進み、すぐには人が住めない状態になってからのことが多いといいます。
空き家バンクを利用するデメリットはこの「老朽化した家屋のため、すぐに住める家が少ない」という点です。
いくら安く家屋を入手できても、リフォーム代が高額になる場合もあるのです。
リフォーム費用の一部を助成してくれる自治体もあるので、空き家バンクで物件を探す際には、助成があるかどうかを調べてみるのも大切です。
空き家バンクの利用手順
ここでは、空き家バンクを利用する手順について説明します。
まずは移住先探しから
自分が住みたいと思う場所を決めることが先決です。
移住先選びについては以下の記事を参考にしてみてください。
移住候補に空き家バンクがあるかどうかチェック
移住先の自治体の公式サイトをチェックしてみましょう。
Googleなどの検索で「移住したい地域 空き家バンク」と検索すると早いです。
その地域にどんな空き家があるかをざっと見ることができます。
まだ移住したい地域が見つからない、全国にどんな空き家があるかとりあえず見てみたい、という方なら「Join日本移住・交流ナビ」というサイトで探すのがおすすめ。
全国にどんな空き家があるか簡単に見ることができます。
自治体に連絡を取り、内覧する
まだふわっとしか考えていないのに、いきなり連絡を取ることにちょっと抵抗を感じる方も多いと思います。
ただし、ネットで物件を眺めている段階はまだ何も進んでいないのと一緒だという私は思っています。
私自身、移住を決断するまでの1年ほどの間、暇があれば空き家を眺めて、「へぇーいい物件じゃん」とか「これはないなぁ」というような「選別」の繰り返しでした。
自分では選別しているつもりだったんですよね。
でもたまに気に入った物件があっても、次にサイトを開いた時には一体どこの地域のなんという物件だったのか全然思い出せないんです。
そこで初めて自分はただ物件を眺めて楽しんでいただけだと気がつきました。
選ぶ物件も現実離れしていたと思います。
ものすごい豪雪地帯もおかまいなしというか、その辺は考えていないというか・・・。
その気持ちが変わったのが初めて自治体に連絡を取って実際に空き家を見せてもらった時でした。
ネットに載せている写真ってどうしてもキレイな部分が多いです。
その家が建っている環境とかもぼんやりしか分かりません。
写真では素敵に思えても、実際に自分の目で見て「最高!」と思える物件は正直なかなか出会えません。
老朽化で床が腐ってふわふわになっていたり、長年人が住んでいない家は動物や虫の糞だらけ、ということも少なくありません。
実際にその自治体に連絡を取り、物件を見せてもらうことで現実を知り、自分の中の気持ちも整理されます。
気に入った全部の自治体を見なくてはいけない、というわけではありません。
1つか2つでもいいです。
とにかく、自分がネットで見ていた物件の詳細をその目で確認してください。
「空き家」で家を探すということがどういうことかが見えてくると思います。
その場所に移り住んだ時のことをイメージする
気に入った空き家を見つけたら、今度はその場所に住んだらどんな生活になるかをイメージしていきます。
仕事はどうするのか?
買い物はどうするのか?
娯楽は?
人付き合いは?
自治体の活動は?
移動は?
災害の際にはどうするか?
などなど。
春夏秋冬、季節ごとにイメージするといいと思います。
冬は毎日雪かきが必要になるかもしれませんし、高台だと車は四駆が必要になるかもしれません。
春はどんな虫が多く出るか、獣は家の近くまで来るのか、夏はどの程度クーラーが必要になるのか、秋の獣害の程度はどうか。
こんなことを考えながら、自分がそこに住んだ場合の生活風景をイメージしていきます。
ここで、本当にその土地のその家に住みたいかが分かってくると思います。
リフォームについて考える
セルフリフォームを検討するならそのプランを立てるのもいいと思います。
しかし業者に頼んでリフォームをするのであれば、ある程度予算を決めて、見積もりをしてもらうといいと思います。
この際にどこまでリフォームをするかを考えます。
最低限しなくてはならないところはどこか。
そのまま使えるのはどこか。
これらについて業者さんと一緒に話し合いをしましょう。
自治体によってはリフォームに助成金がでる場合もあります。
空き家バンクに登録されている物件の場合、業者さんとの見積もりまでは役場の方がサポートしてくれるケースが多いです。
役場の担当者さんに気になることはなんでも相談しましょう。
移住の決定・まとめ
移住の意思が決定されれば、ここから先はリフォームの仕上がり待ちとなります。
人にもよりますが、ここまで来るのに最低でも数ヶ月、長ければ数年かかると思います。
移住を決めるのに必要なのは「焦らない」こと。
首都圏近郊のように、迷っている間に物件が他の人に決まっちゃった、というケースは稀です。
多くの場合、空き家バンクに並んでも、数年単位で人の手につかずに残っています。
気に入った物件があればまずは相談し、焦らずに一つ一つゆっくりと決めていきましょう。
役場の人と密に連絡を取り、新しい空き家が出た時にはすぐに見に行くなど常にアンテナを張っていることも大切です。
物件との出会いは水物。
これだ!という出会いが訪れるのをぜひ楽しみにしながら物件選びをしていきたいですね。