田舎に行けばお金が要らなくなる―。
そんなイメージがありますよね。
自給自足まではいかないまでも、家庭菜園で野菜を作ったり、ご近所のおすそ分けがあったり。
お店が遠いので、無駄買いはしない。
いいこと尽くめ!な気がしますが、実はこの考えには落とし穴があります。
実は・・・田舎で抑えられるのは「生活コスト」のこと。
生活コストとは、家賃や外食などの食費、被服費、通信費に光熱水費・・・。
こういった生活に直結する費用は安く抑えられる傾向にあります。
しかし、田舎に行けば都会よりもコストがかかる傾向にあるものも確実に存在します。
それが「国民健康保険費」です。
ふつう、会社勤めの方なら「健康保険組合」や「保険共済」などに加入をしていると思います。
その場合は会社の給料から天引きとなり、まぁ・・・仕方ないかと思えるところ。
しかもこれには地域差はありません。
しかし、問題はフリーランスや自営業の仕事をしている場合。
加入する健康保険は基本的に「国民健康保険」となります。
この費用なのですが、各自治体により大きな差があります。
そして、それが田舎であればあるほど高額になる傾向があるのです。
(※全ての自治体に限ったことではありません)
例えば
妻:38歳
子供:8歳
子供:4歳
といった家族をモデルケースにしますと、
東京都国立市在住であれば年間の国保料は「358,735円」。
しかし同じ家族構成でも、北海道の小樽市に住んだ場合だと「743,510円」となります。
なんと、倍以上です。
田舎であれば全ての自治体が高い国保となるわけではありません。
あくまでも傾向ですので、移住希望の市町村があるのでしたら、事前に確認することをおすすめします。
便利なサイト→国民健康保険計算機
移住はしたい!でも税金が・・・と悩んだら
移住はしたい。
でも、年間の国保がものすごいことになる。
こんなお悩みを抱えることもあるかと思います。
そんな時の考え方として、道しるべになりそうなものをまとめてみました。
生活コストの削減が税金アップをカバーできるかどうか
生活費、住居費、衣服費、税金・・・と名前は変わりますが、これらは全て「お金」でひとくくりに考えます。
東京での生活コスト(住居費食費など)が月に25万円かかっている場合。
25万円×12カ月=3,000,000円
国保が年間358,735円だとしても、年間にかかる費用はざっくり3,358,735円。(住民税等は加味していません)
しかし、北海道小樽市での生活コストが月に15万円なら、
15万円×12カ月=1,800,000
国保料が743,510円だとしても、
1,800,000+743,510=2,543,510円となり、年間815,225円も浮くことになります。
このように、移住に際して国保が倍!という部分だけをみるのではなく、生活費とプラスした時の年間コストを試算すると目安がつきやすくなります。
田舎に住むと多くの場合収入もダウンする傾向があるため、国保も下がる傾向にあります。
このように生活プランをできるだけ明確化して、実際の月間費用・年間費用を分かりやすく書き出すことが大切です。
住民税や国民年金は?
住民税はわずかに地域差がありますが、ほとんど変わりありません。
国民年金は一律なので、地域差はありません。
もっとも地域差が出るのは「国民健康保険料」だと覚えておいてください。
まとめ
田舎移住はいいことだらけ、と思ったら大間違い。
ちゃんとデメリットもあります。
しかし、そのデメリットを返上できるくらいの価値を見出すことで田舎暮らしは楽しめるのだと思います。
国保が高くなる、その部分だけを見ず、
どんな生活スタイルなのか
どんな仕事をするのか
それで得られる収入はどれくらいなのか
これらを明確化してからでも、嘆くのは遅くないと思います。