年々悪化する人口減少。
内閣府が発表した日本の人口推移を見ると、2050年以降は一億人を割ると想定されています。(現在は1億2千6百万人)
高齢化率も高まるばかりです。
こうなると、地方の少子化、高齢化の問題はますます深刻です。
多くの集落はいずれ存続不可能な「限界集落」へと変わり、いずれ自治体自体が消滅してしまう可能性があります。
有識者らでつくる政策発信組織「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)の試算によれば、今後10年の間に消滅する可能性のある都市は全国の49.8%に当たる896市町村だと発表しました。
消滅可能性都市というのは、消えてなくなるとか、人が住めなくなるというワケではありません。
自治体だけでは財政がまかなえなくなり、「財政再生団体」として地方から国の管理へと切り替わり、再生を目指すようになります。
これを避けるために、消滅可能性都市に指定された市町村は現在、少しでも多くの若者を獲得しようと必死になっています。
その一環として行われているのが「移住支援制度」です。
なんとかして若い世帯を多く招きいれ、自治体を存続させようという試みなのです。
移住ではそんな「移住支援制度」を有効活用することで、経済的な負担を最小限とした移住が可能となります。
ここではそんな移住支援制度の中でもお得感の大きいものとその自治体をご紹介します。
家賃3万円!20年住めば無償で譲渡
(島根県・三郷町)
私も実際にこの土地へ体験移住したことがあります。
「ささらの家」「山吉家」という2件の体験住宅があり、1週間で7,500円で住みながら家探しをすることができます。
この島根県三郷町では移住支援として「保育料が平均の1/4程度、移住するだけで数十万円と同等のポイントがもらえる「定住ポイント制度」、住宅補修をする場合にその費用の半分(最大50万円)の補助が出る住宅改修費用負担などの支援が受けられます。
その中でもお得感が大きいのがこの家賃3万円で20年住めば無償で譲渡してもらえるというものではないでしょうか。
立てる場所は若者定住住宅のニュータウン内(現在町内に9ヶ所あります)で、床面積95平米、宅地面積は400平米と十分な広さの中、希望に沿った間取りの家を建てられるというもの。
その部分が普通の町営住宅や建売とはちょっと違うユニークな部分です。
見学したところ、宅地は確かに広々。
駐車スペースはニュータウン内の一角に決められています。
車庫を増築したり、ウッドデッキを作っているお家もありました。
ただ・・・気になったのは広々した空間に誰一人として生垣や塀を作っているお宅はなく、お隣に自宅の敷地が丸見え。
プライベートを重視したい方にとってはちょっとオープンすぎる雰囲気かもしれません。
(若者定住住宅:山手ニュータウン)
保育料完全無料!
(鳥取県・若桜町)
ここも見学に行ったことあります。
本当に町並みが素敵な場所です。
ここでは子育て世帯への支援を重視しています。
保育料は完全無料。
こども園であるため、3歳からは幼稚園と同等の教育を受けることができます。
見学の際には町役場の方に丁寧に案内していただき、実際に移住をされた方の話を聞く機会も。
とても素晴らしい場所なのに、Iターンは少ないそう。
ぜひ一度訪れて欲しい町のひとつです。
一戸建てを無償提供、しかも引越し費用も補助
(北海道・置戸町)
置戸町は人口3千人程の小さな町です。
ここではなんと一戸建てを無償で提供してくれます。
しかも引越し費用も補助。
どのような物件があるかについては町役場への問い合わせが必要です
(HPに写真等はありません)
ですが、家賃や住宅ローンが無料になるのはとても嬉しい支援です。
また、けっこう負担となる引越し資金の補助が出るのも嬉しいです。
移住視線政策が活発化しているのはここ数年の話です。
今後ますます少子高齢化、人口減少が進めば地方自治体は人口獲得のために必死にならざるおえません。
今後地方移住への支援はますます過熱するものと考えられています。
今現在でもトータルで5,910の支援があるとされています(JOIN調べ)。
今後の経過を見ながら移住を検討するもよし、今現在ある支援を最大限生かして移住するもよし。
まずはどのような移住支援政策があるか、いちどチェックしてみてはいかがでしょうか?
【参考サイト】
知らないと損をする全国自治体支援制度5,910(一般社団法人・移住交流推進機構 Join)